以前UPした「2017年一升瓶価格2,500円から4,000円の旨い日本酒ランキング」は多くの方に参照いただきましたが、時間も経ってしまったので、改めて2021年判と言うことで記事にします。
筆者は日本酒の業界とはまったく関係ありませんが、20年以上飲んだ日本酒の情報を発信し続けております。ここに挙げる銘柄以外にも、良い酒があるのは重々承知しておりますが、自分なりに厳選してみました。
良い酒とは?
ここで、良い酒とは?を勝手に定義づけしておきます。単純に言えば、「香って、甘くて、切れる酒」です。その代表格は「十四代」や「而今」、「獺祭」です。異論はあるでしょうが、一つづつ確認いたします。
香る(吟醸香)
筆者は吟醸香が好きなので、ほとんど香らない酒は興味が薄れます。飲まないわけではありませんが、良い酒は一般的に米を磨き、圧をあまりかけずに搾ります。どの程度の香りかは置いておいて、低温で仕込まれたことで出てくる吟醸香は気持ちの良いものです。最近の香りの出る酵母で仕込まれたお酒ももちろん好きですが…。
甘い(グルコース濃度高め)
同様に吟醸や大吟醸ともなると、グルコース濃度は一般的に高くなります。最近では力価の高い製麹ができる、白夜やスーパーハイGと言った種麹もあります。
余談ですが、黒い粒々が入った酒粕を見たら、高級酒用の種麹を使用した吟醸粕です。お勧めです。もちろん真っ白な粕でも大吟醸粕ともなると、粕と言う言葉自体憚られるほどです。
切れる(すっきりしている)
一般的に日本酒度がプラスになっているほうが「すっきり」としていて後切れの良いお酒が多いのですが、甘く感じてキレることが重要です。甘味と酸味のバランスも大切です。またアミノ酸度が低いことも後切れを良くしているようです。酒造好適米は飯米に比べて、米の外側に含まれるタンパク質が少なくなっています。外側を削ることでもアミノ酸度は低くなります。低タンパク米については割愛します。
静岡吟醸の場合は静岡酵母があまり酸を出さないので、日本酒度が大きくプラスになっていても、ほんのり甘味を感じます。故・河村伝兵衛先生の教えもあり、麹も極端な乾燥麹となっていることも起因し、粕歩合が高くなります。綺麗な甘みのお酒が多いです。
三要素のバランス
筆者の場合、最近は後切れの良いお酒を重視することが多いのですが、これら三つの要素のバランスとなります。どれか一つが抜きんでるのであれば断然切れです。
低温熟成酒
官能的に良いお酒として、他には独特の丸味を帯びた、長期低温熟成があります。黒龍の「石田屋」や梵の「超吟」、出羽桜の「雪漫々」、蓬莱泉の「空」などがこれに当たります。しかし高級酒となることが多いので今回は除外し、別に特集いたします。
2021年版、一升瓶価格4,000円までの良い酒
W(ダブリュー)「純米大吟醸」愛山50無濾過生原酒R2BY
高額な酒造好適米「愛山」を大吟醸規格まで磨き、心地よい香りの出る酵母「M310」を使用したお酒。破格といっても良い、1.8L 3,200円(税別)は驚異的なコストパフォーマンスです。
天美(てんび)「純米吟醸」生原酒
女性杜氏が醸す、甘味と酸味のバランス絶妙なセンスあふれる純米吟醸。山口県の新しい酒蔵なれど、すでに人気で品切れ続出。1.8L 3,000円(税別)
南部美人(なんぶびじん)「特別純米」R2BY
世界も認めたIWCチャンピオンサケ。南部美人らしい気持ち良い香りに、程よい旨味。1.8L 2,800円(税別)
津島屋(つしまや)外伝「純米大吟醸」四十五才の春
杜氏の年齢をタイトルにしたお酒。杜氏自身がもっとも飲みたいお酒を目指しています。酒質も素晴らしいのですが季節限定で毎年一本だけの贅沢となっています。今期四本購入できたのは内緒♪。1.8L 3,900円(税別)
わかむすめ「純米吟醸」秘色(ひそく)無濾過生原酒
こちらも山口県の女性杜氏が醸す酒。2020年6月に毎日新聞、その後Yahooニュースでも紹介されるなど人気のお酒となっています。人気となるにはもちろん「良い酒」と言う理由があります。1.8L 2,720円(税別)
富士錦(ふじにしき)「吟醸」山田錦
吟醸と言う特定名称が随分少なくなりましたが、このお酒はいかにも吟醸!。香り、山田錦のふくらみ、静岡吟醸らしい切れ!。1.8L 3,000円(税別)
松の寿(まつのことぶき)「純米吟醸」夢ささら無濾過生原酒
我が家の常備酒となっている松の寿。その中でも栃木県産夢ささらを使用した、メローなお酒。記事的には「HADEなMATSUKOTO」も良いが、あえてこちらを選びました。1.8L 3,200円(税別)
流輝(るか)「純米大吟醸」モルフォ
昨年由紀の酒のベストオブザイヤーに輝いたお酒。皆さん、実はこれこの価格ですが出品酒なんですよ~。そして今期は全国新酒鑑評会金賞受賞酒です。今期もこの価格かどうかは知りませんが…。1.8L 4,000円(税別)
廣戸川(ひろとがわ)「純米吟醸」山田錦R1BY
あの廣戸川が「山田錦」で醸した逸品。もちろん「夢の香」も最高に美味しく由紀の酒ではベストオブザイヤーに輝いております。香って甘くて切れるの三要素の中でも特に切れる!。これを良い酒と言わずしてどれを良い酒と言うのか!。1.8L 3,800円(税別)
避難所
ぜんぜん好みと違うぜ!って方は、こちらの記事がしっくりくると思います
2021年版、一升瓶価格4,000円までの良い酒に関するあとがき
思えば昔はこう言ったまとめ記事を定期的に書いておりましたが、随分久しぶりに感じたので調べてみたところ4年ぶりのようです。
今回掲載したお酒は、すべて筆者が一年以内に実際に購入し、自宅でじっくりと飲んだものとなります。冷蔵庫に入ってるけどまだ飲んでないとか、今期も飲みたいけど冷蔵庫一杯とか…。悩ましいです。香るところでは「結ゆい」、切れるところでは「開運」が飲みたいっす。
また、最近入手した4mmpと言う香り成分を持つ「英君」HOLICも相当面白い酒なので、入れたかったのですが価格的に割愛いたしました。
この系統のお酒なら、この銘柄を入れておかないといかんだろ!など、皆様のコメントをお待ちしております。
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