昨晩は愛知県の株式会社萬乗醸造さんが醸す、醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米吟醸」Le K voyage(ル・カー ボヤージ)をいただきました。
このところで増えた醸し人九平次のラインナップの中から、協田(きょうでん)と、ル・カー2種類を購入してきましたので、順に紹介していくシリーズ第三弾です。
フランス語でLe K(ル・カー)、Leは男性名詞につける定冠詞で「まさに」。「Kは、醸し人のK。Kは、九平次のK。Kは、黒田庄のK。」また、voyage(ボヤージ)は文字通り「旅」の意味で、「日本酒を楽しむ旅に出て欲しい。そんな思いを込めました。」とあります。
醸し人九平次のル・カーシリーズ、また黒田庄における酒米の取り組みは、下記リンク※1.醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」Le K rendez-vous(ル・カー ランデブー)、※2.醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」黒田庄に生まれて、を参照ください。
ル・カーシリーズ最大の特徴は14度と言うアルコール度数。原酒で低めのアルコール度数は、テーブルでの取り回しを考えたうえで、四合瓶化とともにこのところ一つのキーワードにもなっているようです。酒化率が低くなるので、原価は高くついていることになります。
開栓は一週間前です。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。比較的綺麗には澄んでいますが、ル・カーどうしで比べると微妙に透明度はランデブーの方が高く、色は若干ボヤージの方がついています。
上立ち香は、穏やかながら熟れたバナナのように香ります。うっすらとではありますが、栗のようなイメージも混ざる。いかにも旨そうな香りです。
含むと…、くわっと迫りくる酸。ほのかな甘みを完全に上回るパワフルな酸は、以前飲んだ「件の山田」を思い出します。後半も比較的伸びを見せ、長い余韻も楽しめます。
もう一度注意深く含む。食が進むと、この酸の変化が楽しめるのも九平次らしさ。特にこの日合わせた牛ロース。焼肉のたれ(甘口)も伴って非常に濃い味わいですが、見事に九平次の酸が支えます。洗い流すよくあるパターンではなく、あくまで調和しています。まるで大量のワサビでも脂の乗った大トロの前には、そのとんがりを失くしてしまったかのよう。面白い!、旨いっす。
カルビでなくても、脂多めの食材であれば、この化学反応の旅を楽しめそうです。お試しあれ。
醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米吟醸」Le K voyage(ル・カー ボヤージ) データ
醸造元 | 株式会社萬乗醸造(愛知県名古屋市緑区) |
---|---|
使用米 | 兵庫県黒田庄町産山田錦55%精米 |
アルコール度 | 14度 |
仕込水 | 愛知と長野の県境、標高1500m山の天然水 |
杜氏 | 佐藤彰洋(チーフブリュアリスト) |
製造年月 | H29/5 |
容量 | 720ml |
価格 | 1,800円(税別) |
購入 | 酒のきまた |
醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米吟醸」Le K voyage(ル・カー ボヤージ)に関するリンク
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醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米吟醸」Le K voyage(ル・カー ボヤージ)に関するブログ
2018/03/09 ※1.醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」ル・カー ランデブー
愛知県の株式会社萬乗醸造さんが醸す、醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」Le K rendez-vous(ル・カー ランデブー)を飲んだ感想。焼かれた葉の夏のにおい。何となくハーブを意識させる複雑さが見え隠れします。しかし決して重いわけではなく、軽快にさばけていくところは湿度の低いすがすがしい夏。
2015/11/10 ※2.醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」黒田庄に生まれて、
愛知県の株式会社萬乗醸造さんが醸す、醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」黒田庄に生まれて、を飲んだ感想。武骨と言うとイメージが悪いか?、野生的な魅力があります。大吟醸と言う枠の中なので、質実剛健ながら男酒と言うイメージではなく、可愛らしく甘味と酸味が膨らむ。「すっぴん」といったところか。
2004/06/20 ※3.醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米吟醸」件の山田
愛知県の株式会社萬乗醸造さんが醸す、醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米吟醸」件の山田を飲んだ感想。非常に力強い鮮烈な酸味が飲み応えを演出。飲み口の柔らかさと言うか、すべるような感じを求めて燗に。幾分か甘味も増し久平次らしい印象も。
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