黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2020

　昨晩は福井県の黒龍酒造株式会社さんが醸す、黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2020をいただきました。

　この時期だけの贅沢として味わう黒龍の四天王。石田屋、二左衛門、八十八号、しずくを順に紹介していくシリーズ第四弾！、しずくです。

　しずくをおさらいしておくと、圧搾機を使うのが一般的なお酒の上槽（「もろみ」を酒粕と清酒に分離する）方法ですが、「しずく」はもろみを酒袋に入れ吊るし、滴り落ちてくる「しずく」を集めています。

　そんな上槽方法から名付けられた「しずく」は、圧力がほとんどかからないことから清酒に雑味成分が入らず、綺麗な酒質となります。

　入手困難な黒龍の極みの酒シリーズ四天王の中でも、年に二回（6月、10月）出荷されることから、八十八号と比べ、その難度は下がっていると言われています。しかし、店頭に並ぶことは相変わらず稀で、取扱店と懇意にしつつ予約をしておく必要があります。

　昨年との装いの違いは特にないようですが、裏ラベルは杜氏さん名前がなくなるなど、微妙に変化しているようです。

黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2020　レビュー

　開栓は元旦で三週間が経過しております。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。色はほとんど着いておらず、綺麗に澄んでいます。

　上立ち香は、比較的華やかでラムネを思わせるように香ります。四天王の中では今期も最も香り高く、甘味を連想できるような香りです。

　含むと、…、あ゛～旨い！。綺麗なほのかな甘みは例年より刺激が少なく、酸も上品で木目細かい。これぞ袋吊りの真骨頂！。高精細な分、余韻も棚引きそうだが、後半と呼べるほどではなく潔く引き上げていきます。

　もう一度注意深く含む。美しい中に存在するテクスチャー。これはプリムラ・ジュリアンだ。プリムラの中でも薔薇咲きで、陰影が作り出すグラデーションも美しい。探ると、見えてくるZEISSマクロプラナーならではの質感。旨いっす。

プリムラ・ジュリアン 2021-01-11撮影
SONY α7Ⅲ
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2.8/60 AEJ
f/5.6、1/60sec、ISO-100、WB-4200K

　この日、合わせたのは、おでん。中でも今回絶妙だったタネは生姜入りはんぺん。生姜のアクセントといつもより滑りの良い「しずく」が融合していました。お試しあれ。