昨晩は静岡県の英君酒造株式会社さんが醸す、英君(えいくん)「純米大吟醸」播州渡船をいただきました。
われらが英君から純米大吟醸の新商品となれば、購入しないわけにはいきません。500kg仕込み一本のみと言うことで、取扱店も限定されているようです。使用米は渡船!皆さんご存知の山田錦一家です。念のため渡船をおさらいしておきます。
渡船は明治末期、滋賀県立農事試験場にて備前雄町から選抜育成されました。特に稈長が短く倒伏しにくい滋賀渡船2号は、渡船からの純系淘汰法で短稈渡船として山田錦の父となったとされています。兵庫県のJAみのりによると、現在兵庫で栽培されているのはこの渡船2号。
もっとも、渡船の誕生自体が少々ミステリアスで、名前の由来は他府県から取り寄せたいろいろな重要品種を塩水選後、水洗いを小舟に乗って琵琶湖の湖上で行っていたところ、品種名の名札を落としてしまった。品種名がわからなくなったため、とりあえずの名前として渡船と付けたとしている。
また、後から調べたところ、失くしてしまった名札は福岡県から来たもの、品種は雄町と類似していたことがわかっている。雄町からの選抜育成ってそゆこと?。(笑)
そんなわけで、渡船の誕生(?)から100年経った2017年、英君が新商品として醸した渡船はどんな味なのか?。※1.これまで自分が飲んできた中で、最高の酒を醸す英君だけに楽しみです。
開栓は一週間前です。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。綺麗に澄んでおり、色もほとんど着いていません。
上立ち香は、穏やかながら心地よく白桃を思わせるように香ります。純米大吟醸としては抑えめの香り。吟醸グラスでヘッドスペースがあるとメロンが混ざり、心地よさが増します。
含むと、え?、渡船?、雄町に通じる溶けた甘味が先入観としてあったので、この引き締まったボディは意外でした。いかにも英君のとびっきり大吟醸を思わせる、きれっきれの中から滲み出るほのかな甘み。後半はないわけではないと言う程度の余韻、短いです。
もう一度注意深く含む。久しぶりの静岡らしい飛びっきり感、國香を思い出すような爽快感。この爽快感を例えるなら、ちょうどこの時期、朝起きると、あまりに天気が良いので何処かへ出かけたくなるような青空。え~酒やなぁ♪、旨いっす。
この日合わせたのは、ホッケの塩焼き、ハッシュポテト、唐揚げ、サラダ巻き。ホッケが旨かったんですが、うわぁ~ここに※2.ハイパー干物が欲しかった!、お試しあれ。
英君(えいくん)「純米大吟醸」播州渡船 データ
醸造元 | 英君酒造株式会社(静岡県静岡市清水区) |
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使用酵母 | 静岡HD-101 |
使用米 | 兵庫県産渡船48%精米 |
日本酒度 | +6 |
酸度 | 1.6 |
アルコール度 | 16度 |
杜氏 | 粒來保彦 |
製造年月 | 2017/11 |
容量 | 720ml |
価格 | 2,400円(税別) |
購入 | 酒のきまた |
英君(えいくん)「純米大吟醸」播州渡船に関するリンク
日本酒ガイド > 静岡県 > 英君(えいくん)英君酒造株式会社
英君(えいくん)「純米大吟醸」播州渡船に関するブログ
※1.これまで自分が飲んできた中で最高の酒、英君(えいくん)「大吟醸」斗瓶囲雫酒県知事賞受賞酒
静岡県の英君酒造株式会社さんが醸す、英君(えいくん)「大吟醸」斗瓶囲雫酒県知事賞受賞酒。綺麗な甘味。これだけの甘味を表現しながらも、やはり瞬時に口中からなくなっていく。それはまるで新幹線500系の2両編成。うわぁ♪500系、え?。そのあり得ない光景も一瞬の出来事。
※2.ハイパー干物
干物は乾燥工程で、タンパク質分解酵素が働き新たな遊離アミノ酸が生成されることで、濃縮される以上に旨味の濃度が高くなるということでした。また脂質量はほとんど変化しないので、焼いたときに滴り落ちるほどのジューシーさ、こりゃ旨いわけだ!。
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