昨晩は福島県の松崎酒造店さんが醸す、廣戸川(ひろとがわ)「特別純米」をいただきました。
先日紹介した※1.廣戸川「純米吟醸」とのスペック的な違いは、精米歩合が5%違うだけです。その味わいは、切れ味鋭いシャープさなのか?、ガツンと重いハードパンチャーなのか?、楽しみです。使用米は同様に夢の香です。夢の香については※1.廣戸川「純米大吟醸」夢の香に詳しく記載いたしましたので、併せてご参照ください。
「純米吟醸」には、見事にノックアウトさせられましたが、はたして…。この「特別純米」は※2.SAKE COMPETITION 2016の純米酒部門でGOLDに輝いている逸材なので、挑戦してみたいと思います。自分もやや増量したので←マジ、パワーにはパワーで仕掛けてみます。
上立ち香は、比較的穏やかで白桃のように香ります。栗のような香りも僅かに混ざる。この辺りは兄弟子の「純米吟醸」にも通じるが、主張は控え目。いかにも食事の邪魔をしない、いい感じのたたずまいです。目(蛇の目)を見ればわかる!。こいつもできる。
含むと、先ほどの穏やかなたたずまいとは打って変わって、旨みが突進してきます。最初から全弾フルスイングかよ。やってくれるぜ。
こちらは冷静に長ネギのジャブを繰り出す。当たる!、キレもいい。調子は上々だぜ。
しかし、物足りないとばかりに突進は止まらない。小刻みに左右に体をスイング。幅のある動きだ。同時に甘味のフルスイングも止まらない。的がしぼりにくい。
なめるなよ!、飲み込んでやるぜ!。フェイントを織り交ぜ、鶏もも肉を浴びせる。しかも柚子胡椒のおまけつきだ。
キレのいい見事なダッキングでかわしにくるが、頭を僅かにかすめる。
っと、ここで第一ラウンド(最初の一合)は終了。判定ではこちらが有利か?。
第二ラウンド。相手の体も温まってきたようだ(人肌燗)。何とか主導権を握りたい。ダッシュして今度はこちらから攻勢に出る。シイタケ、シイタケ、シイタケ!。
しかし、滑る、滑る。なかなか魅せてくれるぜ。べた足ファイターなのに、何てバランスだ。
負けてはいられない。回転を上げ、重いのを一発放り込んでやるぜ!。渾身の鶏もも肉!
っとこれも見事に捌かれた瞬間、見えないところから、強烈なフックの旨みを叩き込まれる。爽やかに記憶が飛ぶ。旨いっす。
※コストパフォーマンス部門 由紀の酒 Best of the year 2016 入賞
廣戸川(ひろとがわ)「特別純米」 データ
醸造元 | 松崎酒造店(福島県岩瀬郡天栄村) |
---|---|
使用米 | 福島県産夢の香55%精米 |
日本酒度 | +2 |
酸度 | 1.4 |
アルコール度 | 16度 |
仕込水 | 釈迦堂川伏流水(軟水) |
杜氏 | 松崎祐行(兼蔵元) |
製造年月 | 2016/10 |
容量 | 720ml |
価格 | 1,250円(税別) |
購入 | はせがわ酒店 |
廣戸川(ひろとがわ)「特別純米」に関するリンク
由紀の酒 > 日本酒ガイド > 廣戸川(ひろとがわ)松崎酒造店
廣戸川(ひろとがわ)「特別純米」に関するブログ
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