昨晩は愛知県の株式会社萬乗醸造さんが醸す、醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」彼の岸(ひのきし)をいただきました。
由紀の酒のリニューアルに伴い、自宅では飲めていなかった醸し人九平次のラインナップを入手し、順番に紹介するシリーズのラスボスです。
株式会社萬乗醸造さんは、兵庫県西脇市黒田庄町で山田錦の栽培に取り組んできましたが、ついに昨年の5月に自社田として3反取得しました。
彼の岸(ひのきし)は、この地で愛情あふれる栽培をし、収穫した山田錦を30%精米にまで磨き上げ醸した、醸し人九平次のフラッグシップです。
裏ラベルの文言を引用します。
皆様の食のシーン・テーブルが、この品と対話して頂くことで、より一層楽しく相乗されることを造り手として願っております。
<酒器>
ワイングラスでお召し上がり頂くと、香り、表情を多岐に感じて頂けると思います。
<温度>
お召し上がり頂く品温にて、表情に多様性を見せて行きます。
<相性>
お料理の相性により楽しみ方の幅が広がります。
<変化>
開栓直後から時間軸と共に印象が変わっていきます。その変化をお楽しみください。
<保管>
保温温度で、熟成のスピードが違って参ります。お手元での保管は冷蔵をお選びいただくと、複数年コンディション良き熟成を見せていきます。
<西暦> 西暦はお米が収穫された年になります。この品にて皆様のその年を思い返して頂くキッカケになれば幸いです。
ビンテージごとに集め、10年垂直とかをやってみたい。酒名古屋の会でもこのお酒を味わっていたので、半ばそのつもりで購入したが我慢できませんでした。結局自分はお酒を貯めることはできないようです。九平治さん10年分代わりに貯めといてくれーせん?(笑)。
さて、その味わいは……。
開栓直後の上立ち香は、心地よい程度に華やかでマスカットのように香ります。2週間後の上立ち香は、やや穏やかになり品のある白桃の様な香りに感じました。
含むと、フレッシュと言うのとはまた少し違う初々しさがあり、綺麗な甘味と僅かな酸味がギリギリの範囲でメリハリを見せる。今後、まだ先が楽しみだと感じさせてくれます。この若干の酸が、裏ラベルの<保管>につながりそう。
もう一度注意深く含む。心が穏やかになっていくのを感じる。それはまるで、シーンと静まり返った寺で座禅をしていたときの印象が甦ったかのよう。目はうっすらと開いているのに何も見ておらず、音も消えている。
一喝されスーっと正気に戻るとき、何かを感じたような気がしたが結局わからず、まだ到達できていない領域。そしてその後、何故か思い浮かべた子どもたちの笑顔。旨いっす。
リラックスできる状態で、じっくりと自宅で飲めて良かったと思わせてくれるお酒でした。
※とびっきり部門 由紀の酒 Best of the year 2016 入賞
醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」彼の岸(ひのきし) データ
醸造元 | 株式会社萬乗醸造(愛知県名古屋市緑区) |
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使用米 | 兵庫県黒田庄町産山田錦30%精米 |
アルコール度 | 16度 |
仕込水 | 愛知と長野の県境、標高1500m山の天然水(軟水) |
杜氏 | 佐藤彰洋 |
製造年月 | 28/01 |
容量 | 720ml |
価格 | 10,000円(税別) |
購入 | 酒のきまた |
醸し人九平次(かもしびとくへいじ)「純米大吟醸」彼の岸(ひのきし)に関するリンク
日本酒ガイド > 愛知県 > 醸し人九平次(かもしびとくへいじ)株式会社萬乗醸造
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