昨晩は熊本県の株式会社熊本県酒造研究所さんが醸す、香露(こうろ)「純米吟醸」をいただきました。
自宅で香露をいただくのは、2003年以来となります。一昔前の話となりますが、全国新酒鑑評会で金賞を取るには、YK-35(山田錦、熊本酵母、35%精米)と言われていた時期がありました。その協会9号酵母(熊本酵母)発祥蔵です。その頒布から50年近く経った現在でもこの組み合わせは鉄板です。
吟醸酒のお手本とも言われた香露の大吟醸は、現在でも入手困難です。日本吟醸酒協会が主催する秋の吟醸酒を味わう会では、まず最初に香露に並び大吟醸をいただいてから他をまわったのを思い出します。
醸造元の株式会社熊本県酒造研究所は、県内の酒造技術向上のために設立された研究所で、県内の酒造業者の出資で設立されました。1918年(大正7年)に株式会社化し、翌年、後に社長となる「酒の神様」野白金一博士を初代技師長として迎えます。
野白金一博士は、麹室の換気装置「野白式天窓」の考案や「二重桶仕込み」、「袋吊り上槽」など野白式吟醸造りを築き上げました。そのお酒が品評会や鑑評会で目覚ましい成績を残し、後に協会9号酵母として昭和43年から頒布されることになりました。
由紀の酒では、香露は僅か1本しか紹介できておらず、更新もできていないページでしたが、由紀の酒で発表する※日本酒ランキングに登場し続け、先月は41位でした。久しぶりに飲んでみたくなったので、比較的入手しやすい「純米吟醸」を高島屋さんで購入してきました。
いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。酒の神様に思いを馳せ、また昨年の英君の出品酒まですべて一本につながったかのように見渡せ、綺麗に澄んでいます。
上立ち香は、穏やかながら心地良くメロンを思わせるように香ります。ん~♪、やっぱりバランスの良い香りです。やはり帰る場所はここなのだろうか?などと思わせてくれます。
含むと、きちんと乗っかった丸い旨み、こなれた感じのする甘味を堪能させてくれた後は、すっと静かになります。吟醸らしい軽やかなフットワーク。
もう一度注意深く含む。このこなれ感、これは!、昨年から愛用しているスポーツニット生地のシャツだ。繊維と繊維の間にうまく空気が入った柔らかさは、最初から肌に合い洗いざらしでも固くない。しわにもならない。旨いっす。
香露(こうろ)「純米吟醸」 データ
醸造元 | 株式会社熊本県酒造研究所(熊本県熊本市) |
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使用米 | 麹米、山田錦45%精米、掛米、山田錦55% |
日本酒度 | +0.5 |
酸度 | 1.6 |
アミノ酸度 | 1.6 |
アルコール度 | 16度以上17度未満 |
仕込水 | 阿蘇の伏流水(中軟水) |
杜氏 | 森川智(製造部長) |
製造年月 | 2017/02 |
容量 | 720ml |
価格 | 2,848円(税別) |
購入 | ジェイアール名古屋タカシマヤ |
香露(こうろ)「純米吟醸」に関するリンク
日本酒ガイド > 熊本県 > 香露(こうろ)株式会社熊本県酒造研究所
株式会社熊本県酒造研究所さんオフィシャルサイトは2017年5月現在確認できておりません。
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