黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2022BY

　昨晩は福井県の黒龍酒造株式会社さんが醸す、黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2022BYをいただきました。

　毎年この時期だけの贅沢でしたが、表題のBYは間違いではなく一年かけて味わっております。2023BYも購入出来ておりますので、黒龍の四天王、石田屋、二左衛門、八十八号、しずくをBY違いで順に紹介していきます。

　しずくをおさらいしておくと、圧搾機を使うのが一般的なお酒の上槽（「もろみ」を酒粕と清酒に分離する）方法ですが、「しずく」はもろみを酒袋に入れ吊るし、滴り落ちてくる「しずく」を集めています。

　そんな上槽方法から名付けられた「しずく」は、圧力がほとんどかからないことから清酒に雑味成分が入らず、綺麗な酒質となります。

　入手困難な黒龍の極みの酒シリーズ四天王の中でも、年に三回（6月、9月、11月）出荷されることから、八十八号と比べ、その難度は下がっていると言われています。しかし、店頭に並ぶことは相変わらず稀で、取扱店と懇意にしつつ予約をしておく必要があります。

　これまで由紀の酒では出荷年を入れておりましたが、今後は記載してあるビンテージ（Brewery Year）とさせていただきます。

黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2022BY　レビュー

　開栓は昨年の1月1日で381日経過しております。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。色はほとんど着いておらず、綺麗に澄んでいます。

　飲用温度は低目の10℃くらいから20℃弱までで楽しみました。上立ち香は、比較的華やかでマスカットを思わせるように香ります。今期の八十八号ほどではありませんが比較的香り高く、しかしながら嫌みの無い我が家好みのを香りです。

　含むと、…、おおお、やはり今期も旨い！。数年前までは四天王の中で比べてしまうと「しずく」以外の酒に軍配を挙げることが多かったのですが、八十八号としずくがこのところ毎年大健闘です。フレッシュなイメージも相変わらずで、きめ細かな優しい甘さがエレガントです。一年の熟成もあってか？酸の出かたも奥ゆかしく上品で、しかしその僅かな酸が確実に後半の捌けを手助けしています。切れ上がり方は一つ上のレベルと言っても過言ではありません。

　もう一度注意深く含む、しとしとと降る雨、どこかから聞こえてくる雨だれのピチョンという音（何故かこの音にはエコーがかかる）、暖炉から聞こえるパチパチという音。目を閉じて楽しんでいると、そんな光景が思い浮かびます。このところ忙しかった日常を、まるでお疲れ様と癒してくれるかのよう。旨いっす。

　YouTubeにそう言う映像と環境音、そしてジャズを聞かせてくれるサイトがあり、最近のお気に入りです。下の画像は我が家の55インチテレビにそのサイトを流したのを背景に撮影しました。

　この日、合わせたのは、味噌とんかつ。もう少し濃いお酒にするのも考えたが、あえてこのお酒を。味噌は矢場とんのものです。あれ？いいぞ？。いや旨いぞ！。サクッと揚がった直後にかかった味噌垂れだからこその歯ごたえ。味噌の甘味と黒龍しずくの甘味。想定以上の許容範囲をみせる黒龍しずくと、包容力を見せる矢場とんの味噌だれ。双方が歩み寄る！。お試しあれ。

黒龍（こくりゅう）「大吟醸」しずく2022BY　データ

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Coming soon.

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