昨晩は福井県の黒龍酒造株式会社さんが醸す、黒龍(こくりゅう)「純米大吟醸」吟風をいただきました。
黒龍酒造さんの北海道産吟風を仕込んだ商品は、3年の試作期間を経て昨年が市販レベルの仕込みとなったようです。
そして1年の熟成期間を経て今春の出荷となった新商品で、酒門の会さんのチャレンジ商品です。我々が蔵見学の際にみた吟風の酒母は、来春出荷分の仕込みのようです。
吟風(ぎんぷう)は、広島で開発された「八反錦2号」と「上育404号」の子に、飯米の「きらら397」を交配・育成された、北海道産の酒造好適米です。アキツホのひ孫にあたるようです。
吟風についての詳細は※水稲新品種「彗星」の育成を参照しました。これによると、吟風は北海道道立中央農業試験場において、1990年から育成が開始され1999年に吟風として命名、翌2000年に登録された。出穂・成熟時期は中生の早で、耐倒伏性はやや強い。タンパク質含有率や千粒重、心白発現にばらつきがあるため、改善を試みている。心白は大きくはっきりしているが、耐冷性に弱い。柔らかく芳醇な味わいになるとのこと。
吟風で仕込まれたお酒は、小林酒造さんの北の錦が秀逸だったのを思い出します。全国新酒鑑評会での酒米としての評判も良いとのことですので楽しみです。
黒龍(こくりゅう)「純米大吟醸」吟風 レビュー
上立ち香は心地よく明確に、メロンを思わせるように香ります。落ち着いた雰囲気で、香りからして上品さがにじみ出ています。いい香りです。
含むと、黒龍らしい酸を抑えた上品な甘味が、なめらかな曲線を描く。その曲線を支えるように何本もの細い弦がつながり、安心感のある旨味が見えてくる。熟成させることで、この弦が増えたかのような印象を受ける。
もう一度注意深く含む。食事が進んだことが影響してか?、先ほどの曲線がさらに滑らかになる。美しいラインだなぁ、何故か手の届かないような高貴なものを感じます。これは、弦鳴楽器のハープだ!。何故か演奏者は綺麗な女性だけのイメージ。そして素晴らしい音色。後半はその美しい音色を旨くミュートさせ、僅かな余韻のみ残して収束。旨いっす。
2020-07-11追記
この初年度の吟風はオフビンテージということで、これ以降ラベルも変わりビンテージとして毎年発売されています。畑山杜氏曰く、年々良くなっている印象だそうです。また飲んでみたいものです。
黒龍(こくりゅう)「純米大吟醸」吟風 データ
醸造元 | 黒龍酒造株式会社(福井県吉田郡永平寺町) |
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使用米 | 北海道産吟風40%精米 |
使用酵母 | 蔵内保存酵母 |
日本酒度 | +2.5 |
酸度 | 1.3 |
アルコール度 | 15.5度 |
仕込水 | 九頭竜川伏流水(軟水) |
杜氏 | 畑山浩 |
製造年月 | 2016/03上 |
容量 | 720ml |
価格 | 3,000円(税別) |
購入 | 酒のきまた |
黒龍(こくりゅう)「純米大吟醸」吟風に関するリンク
日本酒ガイド > 福井県 > 黒龍(こくりゅう)黒龍酒造株式会社
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