昨晩は栃木県の株式会社松井酒造店さんが醸す、松の寿(まつのことぶき)「純米吟醸」HADEなMATSUKOTOをいただきました。
蔵元杜氏の松井さんが、「大吟醸以外はイチハチ使うの止めます」と宣言されたのがH26BY。純米吟醸の山田錦を例にとると、H25BYはK601+K1801となっていますが、H26BYはK1601+K1401となっています。
イチハチとはカプロン酸エチルと言うリンゴ様の香気成分を多く生産する協会1801号酵母のことで、このころの松の寿も「香って甘い」我が家好みのお酒でした。しかし料理と合わせながら、ゆるゆると飲み進めていくのは辛くなるため、二杯目三杯目でもスルスル飲めるようにとの判断だったようです。
7年ぶりの協会1801号酵母。しかも種麹にスーパーハイ・Gを使用しているので、甘味も乗っているはず!。ぶんぶんに振り回した松の寿を堪能したいと思います。
松の寿(まつのことぶき)「純米吟醸」HADEなMATSUKOTO レビュー
開栓は5月30日(日)で1週間経過しております。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。色はほとんどついておらず、無濾過らしく僅かに霞んでいます。
上立ち香は、穏やかながら心地よくパインを思わせるように香ります。開栓当初にあった、奥の方から感じる何かは随分消えました。このお酒は一回火入れですが、花見の時期に生酒で欲しかったなぁと感じさせてくれます。こう言ったタイミングもこのご時世ではいたしかたないですね。
含むと、…、ふわりと広がる松の寿らしい甘味。じりじりとにじり寄ってくる酸との拮抗。流石のバランスを見せながら、後半の捌けへと繋げていきます。
もう一度注意深く含む。この霞む背景に映える花!。これはZEISSアポゾナーで捉えた逆光のフクシアだ。ふわりとしつつも、艶やかなその容姿は隠し切れない。まさに貴婦人のイヤリング。旨いっす。
この日に合わせたのは、親子丼。鶏肉の旨味にふわりとした卵が絡む。ここに松の寿がさらにふわりと舞い降りて、絡む。最後は山椒のピリピリが引き締める。お試しあれ。
派手な表ラベルに対して、情報は全て裏ラベル。毎回思うのは、上槽年月と蔵出年月が必ず併記されていてわかりやすい。他のお蔵さんも最近はシングルタンクが多いと思うので、少なくともBYと製造年月(表示上の蔵出し年月)の表記が嬉しい。
松の寿(まつのことぶき)「純米吟醸」HADEなMATSUKOTO データ
醸造元 | 株式会社松井酒造店(栃木県塩谷郡塩谷町) |
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使用酵母 | 協会1801号酵母 |
使用種麹 | スーパーハイ・G |
使用米 | 五百万石55%精米 |
日本酒度 | ±0 |
酸度 | 1.7 |
アルコール度 | 16度 |
仕込水 | 高原山麓自家湧水(超軟水) |
杜氏 | 松井宣貴(下野杜氏) |
製造年月 | 2021/04 |
蔵出年月 | 2021/05 |
容量 | 1.8L |
価格 | 3,000円(税別) |
購入 | 酒のきまた |
松の寿(まつのことぶき)「純米吟醸」HADEなMATSUKOTOに関するYouTube
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