昨晩は青森県の八戸酒造株式会社さんが醸す、陸奥八仙(むつはっせん)「特別純米」をいただきました。
はじめて自宅でじっくり飲んだ陸奥八仙は「特別純米」ひやおろしでした。見事に我が家好みのメリハリ甘味が好印象だったのを思い出します。今回はデフォルトの2回火入れ「特別純米」。このお酒は先日発表された、※1.SAKE COMPETITION 2016の純米酒部門で、SILVERとなったお酒です。
SAKE COMPETITIONは火入れの市販酒を対象にしており、一般素人の我々にとって最も参考になるきき酒イベントです。上位に入ったお酒は全部飲んでみたいものですが、一部入手困難なお酒もあったり、金銭的、肝臓的余裕がなかったりと、なかなかそんなわけにもいきません。
さて、このお酒に使われている原料米の「まっしぐら」は青森県農業技術センター農林総合研究所が、母株に「奥羽341号」、父株に「山形40号」を交配、育成と選抜を重ね開発、2005年3月に青森県の奨励品種になりました。コシヒカリのひ孫、あきたこまちの孫にあたる飯米です。2007年に行われた青森県工業総合研究センターでの醸造適性調査では、砕米率も低く、アミノ酸生成、粗蛋白も低いことがわかり、酒米として適していることが報告されています。さて、どんなお酒なのか?、楽しみです。
上立ち香は、穏やかながら心地よく、メロンのように香ります。スワリングして意識して嗅ぐとマスカットのようでもあります。心も軽くなるようないい香りが出ています。
含むと、あっさり甘い。キレイ目の口当たりから入り、徐々に旨みを放出させてきます。光沢感を感じるような※2.シルバーシャンブレーで、角度によってキラリと光ります。
もう一度注意深く含む。経糸の濃色の酸は光沢感が勝り、あるようで感じさせない。徐々に経糸の濃度は薄くなり、モアレが消えたかのように、よりピュアな甘みへと変化していく。後半はほのかな余韻を残し消えて行きます。旨いっす
心地よい香りも一つの特徴なので、冷えた状態の光沢感のある甘味を楽しむのがもっとも幸せになれると思いますが、人肌燗も美味しそうです。
下記のデータはオフィシャルサイトを参照いたしましたが、酒販店さんの最新データでは、県酵母の使用とも書かれているので、まほろば吟酵母なども使用されているかもしれませんね。
※2.シルバーシャンブレー
経糸に60双糸もしくは72双糸の濃色のウール、緯糸にブライト糸(一般的にポリエステル、一部シルクやモルフォ糸)を平織りした織物。見る角度で光沢感が際立つ。
陸奥八仙(むつはっせん)「特別純米」 データ
醸造元 | 八戸酒造株式会社(青森県八戸市) |
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使用酵母 | 協会1001号酵母 |
使用米 | まっしぐら60%精米 |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.4 |
アルコール度 | 15度 |
仕込水 | 八戸蟹沢(がんじゃ)の清水(中硬水) |
杜氏 | 伊藤賢一(南部杜氏) |
製造年月 | 2016/07 |
容量 | 1.8L |
価格 | 2,600円(税別) |
購入 | はせがわ酒店 |
陸奥八仙(むつはっせん)「特別純米」に関するリンク
日本酒ガイド > 青森県 > 陸奥八仙(むつはっせん)八戸酒造株式会社
陸奥八仙(むつはっせん)「特別純米」に関するブログ
2015/10/27 陸奥八仙(むつはっせん)「特別純米」ひやおろし無濾過原酒
SAKE COMPETITION 2016受賞酒を飲んだ感想
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