昨晩は滋賀県の多賀株式会社さんが醸す、多賀(たが)「普通酒」古酒大老をいただきました。特定名称が書かれていないので、勝手ながら「普通酒」といたしました。
父が何処かで購入してきたものです。久しぶりの古酒で、何年熟成か気になるところですが、同封されていた説明書には、火入れ平成13年10月19日とありました。少なくとも20年以上経過している古酒のようです。
また日本酒度もマイナス44とあるので、なっちゃった古酒ではなく古酒用の仕込みをされたと思われます。
ラベルの題字は彦根の書道家・上木淳吉さんによるものだそうです。
古酒大老をWEBで検索すると、大老とは近江彦根藩第15代藩主の井伊直弼のことと説明しているサイトが出てきますが、本家WEBサイトでは
小牧・長久手の戦いで先鋒を務めて奮戦し、「井伊の赤鬼」と呼ばれました。
とあり、直弼の字は出てきません。ゆかりは井伊直政(1602年没)と思われますが、大老職の設置は1638年とされており(所説あり)、赤い外箱には1622年完成の彦根城も描かれているので、5人の大老を拝した井伊家にちなんだものと思われます。
多賀(たが)「普通酒」古酒大老 レビュー
開栓は11月21日(日)で約一ヶ月経過しております。いつもの一合蛇の目猪口に三分目ほど注ぎます。色は古酒らしくしっかりと茶褐色で、ほどほどの澄み方です。
飲用温度は今回は15℃くらいから始めました。上立ち香はかぐわしく、蜂蜜やカラメルを思わせる香ばしい香り。いかにもソトロンの影響を受けた熟成古酒らしい重厚感。
含むと、…、まずは甘い!。口当たりも古酒らしいが、その甘さは味醂(みりん)を思わせます。とろっとした粘度も相まって、尖ったところのない古酒独特の丸い表情。後半も長く棚引き、深い余韻にうっとりとさせられます。
もう一度注意深く含む。思い浮かんだオレンジ色。これはシーマニアだ。五角形に開いた花弁から、蜜が滴り落ちるかのようで、いかにも旨そう♪。開放で捉えた背後でボケるフィボナッチは、まさに旨味の黄金比。旨いっす。
二十年もの熟成で得られた深い丸みのある味わいは、この値段も考えると抜群のコストパフォーマンスです。食も進んで、他の燗酒を飲んでいる時に大匙一杯の「古酒大老」と、小匙一杯の冷水を入れると対流がおき、素晴らしい丸味のお燗酒が出来上がりました。幸せになれました♪。
この日合わせたのは、牛丼。我が家の牛丼は吉野家風で、甘味は抑えめ。今回はワインの代わりに味醂を少々投入しました。玉ねぎの甘味や牛脂の旨味を、大老がさらに上をいく旨味で包み込んでくれました。お試しあれ。
多賀(たが)「普通酒」古酒大老 データ
醸造元 | 多賀株式会社(滋賀県犬上郡多賀町) |
---|---|
使用酵母 | - |
使用米 | 国産米 |
日本酒度 | -44 |
酸度 | 2.5 |
アミノ酸度 | 1.5 |
アルコール度 | 14度 |
仕込水 | 鈴鹿山系芹川地下水(硬水)150g/ml |
杜氏 | 寺嶋敏夫 |
製造年月 | R03/10 |
容量 | 720ml |
価格 | 2,095円(税別) |
購入 | - |
多賀(たが)「普通酒」古酒大老に関するYouTube
多賀(たが)「普通酒」古酒大老に関するブログ
多賀(たが)「普通酒」古酒大老に関するリンク
日本酒ガイド > 滋賀県 > 多賀(たが)多賀株式会社
コメント