昨晩は岐阜県の御代桜醸造株式会社さんが醸す、津島屋(つしまや)「純米吟醸」廣島産八反錦無濾過生原酒をいただきました。
裏ラベルには、
当家創業時の屋号である「津島屋」は、日本酒の限りない可能性への新たなる挑戦と、酒縁への感謝のこころの結晶です。清流の里で育まれた米から醸した一滴は、八端の如く上質に織り成された香味に溢れます。
とあります。織物は元専門家なので補足させていただきます。
八端(はったん)とは絹織物でヘリンボーン組織(杉綾、破れ斜紋)で織られることから、目付(1m当たりの重さ)がしっかりある高級な織物でした。織組織的に幾重にも重なっていくように見えるのを、香味に溢れると言う表現をするあたり、非常にそそられます。
津島屋の米違いを順に飲んでいくシリーズ第二弾は、そんな廣島産八反錦です。ここで使用米の「八反錦」をおさらいしておきます。
八反錦は広島県立農業試験場において、1973年に母株(種子親)に「アキツホ」、父株(花粉親)に「八反35号」を交配・育成され、1984年に登録された。栽培される標高で1号(200m~400m地域に適する)、2号(400m地域に適する)に分かれる。出穂・成熟時期は中生の早で、アキツホを交配させたことで耐倒伏性が八反より強い。心白発現率は90%以上と高く(眼状心白)、腹白の発生が少ないため精米は容易だが、浸漬時に胴割れしやすい。千粒重は26.8g。蛋白含有率は90%精米で6.6%と低く、吟醸酒に向く。
千本錦も好きですが、この八反錦も結構好きなお酒が多かった印象。先日紹介した「吟風」も八反錦の孫にあたるので、そのストーリーを感じてみたいと思います。
いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。ラベルの文字色のような虹が出る空気の如く、綺麗に澄んでいます。
上立ち香は、華やかにライチのように香ります。何となく藤の花のような香りでもあり、はやる心を落ち着かせてくれます。ずっと浸っていたい。
含むと、これまた心地よい含み香!、メリハリある甘味と酸味。好みの甘味が最初に大きく入ってくるので、後から支える酸味はバランスを整える程度。後半はほのかな余韻を残し引き上げていきます。ん~何という充足感。
もう一度注意深く含む。こ、この彩り豊かな旋律は、エレクトーンだ!。一人でどれだけの仕事してるの?。両手の動きは滑らかに主旋律を表現し、両足まで複雑に動き深みあるベースラインを奏でる。旨いっす。
津島屋(つしまや)「純米吟醸」廣島産八反錦無濾過生原酒 データ
醸造元 | 御代桜醸造株式会社(岐阜県美濃加茂市) |
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使用米 | 廣島産八反錦55%精米 |
アルコール度 | 17度 |
仕込水 | 木曽川伏流水(硬度40・軟水) |
杜氏 | 酒向博昭 |
製造年月 | 2017/02 |
容量 | 720ml |
価格 | 1,425円(税別) |
購入 | 酒のひろせ |
津島屋(つしまや)「純米吟醸」廣島産八反錦無濾過生原酒に関するリンク
日本酒ガイド > 岐阜県 > 津島屋(つしまや)御代桜醸造株式会社
津島屋(つしまや)「純米吟醸」廣島産八反錦無濾過生原酒に関するブログ
2017/04/04 津島屋(つしまや)「純米」石狩産吟風無濾過生原酒
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岐阜県の御代桜醸造株式会社さんが醸す、津島屋(つしまや)「純米」石狩産吟風無濾過生原酒を飲んだ感想。膨らむ旨みが口中で描くラインは、見事なハート型。ZIP!の「あおぞらキャラバン」のコーナーを卒業した、「セレイナ」の独特の「ら」の音は舌を巻くような何とも甘い発音だったが、そんな津島屋の甘さに舌を巻く。
2013/06/03 津島屋(つしまや)「純米大吟醸」窮め山田錦無濾過生原酒
津島屋(つしまや)「純米大吟醸」窮め山田錦無濾過生原酒
岐阜県の御代桜醸造株式会社さんが醸す、津島屋(つしまや)「純米大吟醸」窮め山田錦無濾過生原酒を飲んだ感想。想像していたよりも少し強めの甘味が膨らみ、じんわりとしみ込んできます。
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