昨晩は長野県の株式会社小野酒蔵店さんが醸す、夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」生一本R2BYをいただきました。
「夜明け前」と言えば由紀の酒的には「辰の吟なまざけ」が一番に思い浮かぶのですが、蔵的には夜明け前の名前を昭和59年に初めて付けた、この「純米吟醸生一本」が代名詞なんだそうです。
生一本(きいっぽん)は、ひとつの製造場だけで醸造した純米酒のことですので、二つ以上の酒造場を持つ大手があえて均一性を保つために製造場をまたいで混和させたり、また桶買いしたお酒とかでなければ、ほとんどの日本酒がこれにあたります。これがうたい文句となった昔ながらのサブタイトルと言えます。
島崎藤村の代表作「夜明け前」との関係については、最下部のリンク※1.夜明け前(よあけまえ)株式会社小野酒蔵店を参照ください。
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」生一本R2BY レビュー
開栓は10月3日(日)で開栓五日後のレビューとなります。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。色は気持ち良い黄金色で無濾過らしい澄み方をしています。
飲用温度は12℃くらいです。上立ち香は、心地よく華やかにデリシャスリンゴを思わせるように香ります。火入れのお酒ながら想定以上の豊かな香り。しかし嫌みはなく、素性の良さから滲み出てくるような我が家好みの香りです。
含むと、…、気持ち良い甘味のメリハリ。幅のある甘味・旨味が僅かに感じる酸を従えて口中を一杯にします。甘味がクリアなのも秀逸ですが特筆すべきは後半で、これほど膨らんだにも関わらず気持ち良くすっきりと引き上げていきます。辰の吟なまざけとの飲み比べだったのですが、最初はゆるゆると最後まで飲んでいけるのは「辰の吟」の方かなぁと思っておりましたが、「生一本」の減り方が尋常ではない(笑)。捌けの良さが起因していると思われます。
もう一度注意深く含む。この香って甘くて切れる!まさに全てを盛り込んだ様は、漆黒に浮かび上がるキバナコスモスだ。見せたい所は目移りしそうなくらい申し分なく明瞭に見せ、気持ち良いくらいに黒く締める。旨いっす。
レモンブライトとオレンジフラウ(キバナコスモス) 2021-09-30撮影
SONY α7Ⅲ
Carl Zeiss Apo-Sonnar 2/135 ZE
f/4、1/400sec、ISO-100、WB-5500K
この日合わせたのは、赤海老のお刺身。ぷりっとした食感から押し寄せる独特の甘味。頭に近いところのワタを思わせる旨味。これまたなかなかの兵(つわもの)だが、夜明け前ががっちり受け止める。お試しあれ。
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」生一本R2BY データ
醸造元 | 株式会社小野酒蔵店(長野県上伊那郡辰野町小野) |
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使用米 | 兵庫県産山田錦特等米55%精米 |
使用酵母 | - |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.4 |
アミノ酸度 | - |
アルコール度 | 16度 |
仕込水 | 中央アルプス(霧訪山)伏流水 |
杜氏 | 清都幸大 |
製造年月 | R3/3 |
容量 | 1.8L |
価格 | 3,200円(税別) |
購入 | 酒商マルタカ |
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」生一本R2BYのYouTube
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」生一本R2BYに関するリンク
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