昨晩は長野県の株式会社小野酒蔵店さんが醸す、夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」金紋錦をいただきました。
金紋錦は長野県で昭和三十一年(1956年)に開発されました。金紋錦と言えば、石川県の福光屋さんが思い浮かびます。このブログで以前紹介している、※1.加賀鳶(かがとび)「純米吟醸」でも、掛米にこの金紋錦が使われていました。
長野県下高井郡木島平産の金紋錦ですが、昭和六十三年(1988年)には使用する蔵が石川県の福光屋さんのみとなってしまったことから契約栽培となり、福光屋さんと木島平の篤農家によって米の品質が進化していきました。
平成十六年(2004年)に地元長野の素晴らしい酒米を!と福光屋さんにも話を通し、信州の“幻の酒米”が長野で復活しました。
金紋錦をおさらいしておきます。長野県立農事試験場において、1956年に父株(花粉親)に「たかね錦」、母株(種子親)に「山田錦」を交配・育成された。昭和三十九年(1964年)に認定。中生、中稈、中間型。稈は柔らかく、倒伏しやすい。いもち病・白葉枯病に弱い。粒着は疎で、やや脱粒性がある。大粒で心白発現率が高い。千粒重は25.1g。香りも旨みも複雑に膨らむとのことなので楽しみです。
開栓後二週間が経過しています。いつもの一合蛇の目猪口に八分目ほど注ぎます。色はほとんどなく、綺麗に澄んでいます。
上立ち香は穏やかながら、マスカットを思わせるように香ります。ほんのり揮発感も混ざる。複雑?、確かにつかみどころは明確でなく、ヘタることのない香りです。
含むと、甘味と酸が織り成す味わいは確かに複雑。ん?後半には苦味とも思えるような味わいも混ざります。いろいろな表情を見せてくれた後は、棚引く様に徐々に消えていきます。
もう一度注意深く含む。こ、この複雑さは単なる織物でなくジャカード織りだ!。キラキラとした糸が縦から出てきたかと思えば複雑に入り組み奥へと消え、横から深みのあるセージグリーンが前面に出てくる。見る角度を変えると、さらに複雑な色合いも見せてくれます。旨いっす。
ん~、昨年の造りだけでなく、別の年の造りももう一度飲んでみたい。調べているうちに金紋錦つながりの、水尾ってのも気になってきました。
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」金紋錦 データ
醸造元 | 株式会社小野酒蔵店(長野県上伊那郡辰野町小野) |
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使用米 | 長野県産金紋錦55%精米 |
使用酵母 | アルプス酵母、協会9号酵母 |
日本酒度 | +5 |
酸度 | 0.9 |
アルコール度 | 15度 |
仕込水 | 中央アルプス(霧訪山)伏流水 |
杜氏 | 佐相道宏(南部杜氏) |
製造年月 | 29/05 |
容量 | 1.8L |
価格 | 3,000円(税別) |
購入 | 酒商マルタカ |
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」金紋錦に関するリンク
日本酒ガイド > 長野県 > 夜明け前(よあけまえ)株式会社小野酒蔵店
夜明け前(よあけまえ)「純米吟醸」金紋錦に関するブログ
2015/04/05 ※1.加賀鳶(かがとび)「純米吟醸」
加賀鳶(かがとび)「純米吟醸」
石川県の福光屋さんが醸す、加賀鳶(かがとび)「純米吟醸」を飲んだ感想。スッキリ軽快な飲み口の奥に見え隠れするほんのり甘酸。後半は軽い分、早く収束を向かえます。ん~いい感じのキレです。
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